上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2009.05.19 太鼓の達人
 段々とディフェンスにも慣れてきた。
 監督を持ってして「お前の変わりは誰もいない」とまで言わしめた。
 完璧だ。
 ディフェンスに関しては俺は完璧だ。
 
 こうなると、欲が出る。
 得点が欲しい。
 LAZEの攻守においての要は俺だということをアピールしたい。
 
 とにかく練習した。
 ロングシュートの猛特訓だ。
 俺はもともとフォワードだった。
 多少遠かろうが、角度が付こうが、シュートを決めることなんて造作もないことだ。
 練習はバッチリだ。
 既に体が覚えている。

 センスに加えたこの努力。
 結果が伴わないなんてことはあるまい。
 あとは本番で結果を出すのみだ。
 
 いよいよ成果を発揮する時が来た。
 攻守の要が動き出す。
 俺によこせ!よこすんだ!!
 俺が必ずねじ込んでやる!!!
 
 来たッ!!!

 桃球はついにゴール前やや遠めに位置していた俺の足元へ転がり込む。
 俺は矢のようなシュートを、あらゆる力を貯めに貯めたこのスティックの先から解き放つ。
 ズバンッ!!!!!

 「ピピィ~~~~~~~~~~ッ!!!」

 決まった!
 当然だ!だって俺だもの!

 LAZE初のディフェンダーによる得点
 いつもは冷静な俺だが、この時ばかりはさすがにテンションが上がった。
 
 気づけばスティックは、あたかも太鼓の様に「コンコンッ!」とリンクを叩いていた。
 コンコンと2回。

 あのコンコンはさすがに爽快だった。
 確か、ビデオが回っていたはずだ。
 今一度、確認して余韻に浸るくらい誰も文句はあるまい。
 なにせ、LAZE初のディフェンダーによる得点なのだ
 
 どうせなら打ち上げの席で皆にコンコンを見てもらいたいところだ。
 ちょうど今日は全日本の打ち上げだ。
 この場が打って付であろう。
 
 全日本のビデオはひとおり見終わったはずだ。
 次は俺の番だ。
 俺のビデオをセットしてくれ。
 さあ早く。
 さあ、そして俺に称賛の声を!
 皆、称賛を!
 皆、歓喜のコンコンを!!

 ・・・ビデオに不穏な動きが認められる。
 ウィーガシャ、ウィーガシャ。

 何をやっているビデオ。
 おいこら、ビデオ。
 おーいビデオちゃーん。

 うんともすんとも・・・こりゃ。

 「あーあ、壊れたわ・・・再生どころかテープも取り出せないわ」
 監督の声が虚しく響く。

 かくして歓喜のコンコンは、壊れたビデオカメラの中に、ビデオテープとともに封印されることとなった。

 fin
 ※この物語は事実を基に、勝手に当事者になりきった妄想話しです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。